Knowledge Structure · Knowledge Graph

ナレッジグラフ

情報どうしの関係を、意味で結ぶ。

検索が届かないのは、言葉が一致しないときです。ナレッジグラフは、概念と概念の関係を明示的に持つことで、言い換え、前提、代替、応用といった「つながり」をたどれるようにします。

Why It Matters

似ている文章は探せても、関係は探せない

キーワード検索は、同じ言葉が含まれている文書しか見つけられません。ベクトル検索(文章の意味を数値で表し、近いものを探す方法)は、言い換えにも強くなりました。それでも、次のような問いには答えにくいままです。

  • 「この部品の代わりに使えるものは何か」(代替の関係)
  • 「このスキルを身につけるには、何が前提になるか」(前提の関係)
  • 「この不具合は、どの工程・どの設備・どの顧客に影響するか」(複数の段階をまたぐ関係)
  • 「この資料群全体で、主要な論点は何か」(文書の集合全体に関する問い)

ベクトル検索が捉えるのは「文章どうしがどれだけ似ているか」です。「AはBの前提である」「AはBで代替できる」といった関係の種類は区別されません。また、一般的なRAGは、コーパス全体に対する「主要なテーマは何か」のような問いに弱いことが報告されています(Edge et al., 2024)。

How It Works

仕組み

ナレッジグラフは、概念(ノード)と、概念どうしの関係(エッジ)で知識を表現する方法です。大規模で多様なデータを、関係ごと扱うための基盤として、研究と実務の両方で広く使われています(Hogan et al., 2021)。

スキルオントロジーの例。要求スキル「機械学習」は、統計(前提)、深層学習(下位)、データ分析(類似)、画像認識(応用)、Python(関連)と関係で結ばれている。要求スキルを直接持たない人も、関係をたどって評価の対象にできる。SKILL ONTOLOGYスキルどうしの関係の例(AIKNOW Matching)前提関連類似応用下位機械学習要求スキル統計Pythonデータ分析画像認識深層学習
スキルオントロジーにおける、スキルどうしの関係の例(概念図)
  1. 概念と関係の設計(オントロジー):その業務で扱う概念の種類と、関係の種類を定義します。たとえば「上位・下位」「類似」「前提」「代替」「応用」「関連」などです。上位・下位や関連の表現には、W3Cの標準であるSKOSのような語彙体系の考え方も使えます。
  2. 文書からの抽出:取り込んだ文書や記録から、AIが概念と関係の候補を抽出します。
  3. 統合と確認:表記ゆれや同義語を一つの概念にまとめます。重要な関係は、専門家が確認してから採用します。
  4. 検索との組み合わせ:ベクトル検索で見つけた情報を入り口に、グラフの関係をたどって、関連する情報や根拠を集めます(グラフ検索とベクトル検索のハイブリッド)。
  5. 説明の付与:「なぜこの結果なのか」を、たどった関係の経路として示します。

適用例:スキルオントロジー

AIKNOW Matchingのスキルオントロジー(スキルどうしの関係を体系化した辞書)は、この考え方を人材領域に適用したものです。公的な例として、欧州委員会のESCOは、3,039の職業と13,939のスキルを28言語で体系化し、求職者と求人のマッチングに使われています。スキルの関係を持つことで、要求スキルを直接持たない候補者も、関連スキルや類似の経験から評価の対象に含められます。

Benefits

導入効果

  • 見落としが減る

    言葉が一致しなくても、関係でつながった情報や人材を見つけられます。

  • 複雑な問いに答えられる

    複数の段階をまたぐ影響範囲や、資料群全体の論点整理など、単純な検索では難しい問いに対応できます。

  • 根拠を説明できる

    結果に至った関係の経路を示せるため、利用者が納得して判断できます。

  • 知識が組織の資産になる

    専門家の頭の中にあった「何と何がつながっているか」という知識を、共有・更新できる形で残せます。

Considerations

適用にあたって

  • グラフの品質は、関係の定義と確認の運用で決まります。最初から全領域を作るのではなく、効果の大きい業務領域から始めて広げることを推奨します。
  • 関係は時間とともに変わります(新しい製品、新しい技術など)。更新の担当と頻度を決めておく必要があります。
Related Products

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  • AIKNOW Matching

    スキルオントロジーで、隠れた適任者まで探索します。

  • AIKNOW

    グラフ検索とベクトル検索を組み合わせたナレッジ基盤。

  • AISECI

    分散した知識を結びつける「連結化」を支えます。

References

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